先日はハイパースケールの怖さをご紹介しました。
プロのお掃除屋さんからマスコミの情報に至るまでどこもかしこも「水廻りを使用した後は必ず水分を除去すべし。それが綺麗な状態をたもつ秘訣です!」と仰せになっておりますが、私はあえてそれに「NO!」と言わせて頂きました。
それでは世の奥様方はどうすれば良いのか?
結論から申しますれば、「綺麗でも汚くても必ず半年に1回はガッツリ清掃をして、その間の水あか全てを根こそぎ除去すべし。」というのが唯一の正しい答えだと私は信じております。
で、半年に一回はキレイにリセットしちゃうわけですから、それまでは好き勝手に気楽に使用していれば良いんではないかと…。まぁ、個人的にはそう思うんですね…。当然のことながら私のお客様(在宅の現場)にはそのようにお伝えしております。
ズボラのメリット
前回の記事で少し触れましたが、ズボラな奥様のお宅には意外なメリットがあるんですね。
それは、「水あか以外の汚れもグチャグチャに混じりあって設備に付着しているために、中性洗剤やアルカリ洗剤、そして腐食性の少ない(錆びたり変色の危険性の少ない)酸性洗剤で9割近い水あかも一緒に取れてしまう。」ってことなんです。
百聞は一見に如かずですから、とりあえず以下のツイートをみて下さい。
これはあまりにも石鹸カスが酷いので、洗う前に汚れだけスクレーパーで削ってしまっているのですね…。動画の最後に指でこすって「キュッキュッ」という音がしているように、削った箇所はほぼ100%汚れは取れてしまっております。(当然のことながらこの後洗剤につけ置きして全体を洗い流しますが…。)
このような芸当はここまで汚れているから出来ることであって、入浴後にこまめに水気を取っているようなお宅では絶対に出来ないことでもあります。
こまめに水気を除去しているお宅は…
ちなみに、
毎回使用後に水気を除去しているお宅のお風呂はこんな感じ
浴槽の内側も光ってますし、エプロンなんかもゴム栓が映りこんでいますでしょ?
けどね、これは作業前の写真なんですよ…。私が前回入ったのが1年前…。それから奥様の日々のお手入れだけでここまでキープしちゃっているんですよね…。何とも素晴らしいことです。
ただ、それでも水あかは付くんです。
微妙だから分かりますかね…?浴槽の縁にかすかに水あかが確認できますでしょ?
これは排水溝のステンレスですが、所々くすんだような跡が付き始めてます。
普通のご家庭でしたら「まだまだ綺麗だからガッツリ清掃はまだ先でいいわ。」なんて判断しちゃうんでしょうが、実は逆でして、こういったお宅だからこそ半年に一回…、少なくとも一年に一回はガッツリ清掃をして水あかをリセットしちゃわないと後がヤバいんです…。
上記ツイートのようなお宅でしたら、既に汚れのコーティングが出来てしまっていますから、あとはどんなに使用しようとも水あかの成分は汚れの膜の上にしか付着しません。でもって、この汚れの膜を除去するのは比較的簡単なんですね。
けど、このように余計な汚れは一切なく純粋に水あかだけが残るようなお宅は純度の高い水あかの上に更にまた純度の高い水あかが積み重なり、やがて水あかで全てがコーティングされていってしまうんです。
これこそ私が恐れるハイパースケールの正体なんです。
けれども、こちらのお宅のように半年から一年に一回は完全除去を心掛けて下さっているお宅では、いくら毎日キレイに水気を拭き取っていようとも、ハイパースケールになる心配はありません。常にピカピカな我が家をお友達に自慢しつつもハイパースケールの心配もない…。これが一番の理想的な形かもしれませんね。
ただ、あくまでも定期的に水あかを完全除去するっていうことが前提条件です。これが5年以上ガッツリ清掃をしていなければ水あか除去が非常に厄介になってきます。10年を超えたらアウトだと私は判断致します。
ですから現在一生懸命に毎日水気を除去している奥様におかれては一度ガッツリ清掃をしてみて下さい。その際は酸性洗剤を何種類も使う必要がありますから、自信の無い方はプロに任せるのも一つの手かもしれませんね。
ちなみに毎日水気を除去していたキッチンはこのような感じになります。
これも当然のことながら作業前の写真です。昭和50年代のシンクには見えないでしょ?
半年に一回私がリセットして、かつ日々奥様がキープしていますから…。
けどね、それでも付くものは付くんですね。
コーナーのところにクスミが出来てきていますね。
一見キレイに見えても、こういった水あかが半年で付いてしまうんです。「うちはキレイよ!」とおっしゃる奥様、今一度ご自宅のシンクをチェックしてみて下さい。こういった汚れがシンク内側のあちこちに確認されるならば、すぐに手を打った方が良いでしょうね。
そうしないと将来大変な目に合うと思いますよ。
ズボラなお宅をキレイにするのはリスクが低い
ってなわけで、汚しっぱなしのお宅の水廻りをキレイにするのは意外とリスクが低くて簡単なんです。
リスクの高い酸性洗剤を大量に使用しなくても落ちますから…。
ちなみに上記ツイートの現場はこうなりました。
使用した洗剤はクエン酸とバスマッジクリンくらいでした。一方で上記の綺麗なお宅のお風呂にはリン酸、塩酸なども併用致しました。
つまり、汚い物件の方が簡単に汚れが落ちる分だけリスキーな薬品を使用しないで済むということなんですね。
これで終わってしまうとどこもかしこも汚部屋になってしまいそうなので、次回は「ズボラのデメリット」について書いてみましょうね。
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