それでは便器と便座を手掛けてみます。
尿石除去
サンポール
さて便器ですが、前々回サンポールを要所要所に塗りこんでいただきました。
昔のサンポールのCMでは、板東英二さんが「ひとかけ、みこすり、サンポール♪」なんてやっていましたが、本来はすぐにこすらずに漬け置きするべきなんですね…。
そうすると頑固な汚れもスルッと落ちるんです。
しかしまぁ、懐かしいCMですね…。
サンポールもこの時代は透明で、粘り気も香りも全く付いていなかったんですよ…。けど使い勝手は今より良かった気がする…。ちなみに私も当時のサンポールが車に積んであります…。なんでだろう? (^O^)
どうでもよい話ですみません…。
話は戻しまして、漬け置く時間の目安ですが、前回のタンク上の手洗いボウルに関しては尿石がこびりつくという事はありえませんので1時間と書きましたが、便器に関しては結構ガンコに尿石がこびりついていたりするので、最低でも1時間…、できれば2時間くらいおいた方がよろしいかと思います。
なお、その際は尿石の酷い部分にラップをしたりするのですが…、それは後ほど詳しく述べたいと思います。
便器をこする
それでは実際に手がけてみましょう。
タンク上と同じように、こちらも先ずは緑のスコッチでこすります。
傷はまったく付きませんから、おもいっきりゴシゴシやってください。
事前の漬け置きがしっかりと出来ていれば、これだけで相当にきれいになるはずです。
スポンジ研磨剤・耐水ペーパーに関して
けれども汚れの首輪の部分や、縁の裏側なんかは結構スケールが残ってしまうこともあるかと思います。
以前はこの部分にスポンジ研磨剤や耐水ペーパーを使用することを私もお勧めしたことがあるのですが、肉眼では確認できないほどの傷がついてしまう恐れがあります。
実際に傷のついてしまった便器がこちらです。
水の溜まっているところと上部の水滴の間が黒くなっているのが分かりますか?これが傷です。
アップで確認してみましょう。
はっきりと分かりますね。これはおそらく住んでいた方が汚れの首輪を除去するためにスチールタワシでこすってしまった痕跡かと思われます。
この部分は陶器の釉薬が完全に取れてしまい、汚れが付きやすくなるのと共に汚れを除去するのもまた困難になってしまいます。
ゆえに傷をつけないということがとにかく大事になってくるのですね。
で、上記のスポンジ研磨剤や耐水ペーパーはどうなのか?という事ですが、一度リセットするためにある程度粒子の細かいものを使用するだけなら、それほど神経質になることも無いのかな…、との感情は個人的にはあります…。
実際にこれらを使用するとスピーディーに汚れは取れますから…。
けど、これらを鏡やガラスなどに使用すると一目瞭然なのですが、やはり傷は付くんですよね…。
キズをつけないで汚れを除去する方法が全く存在しないなら話は別なんですが、今の時代はそれを可能にする方法があるわけで…、
であれば、多少の手間はかかっても傷をつけずにやるべきかと私は思います。
ガスコンロ・IH用スポンジ + サンポール
それでは耐水ペーパーに替わる道具は?っていいますと、
これなんですね…。
本来はコンロ周辺の焦げ落としに重宝する3Mのスポンジなんです。
これって相当に研磨力はあるものの、ガラス等の素材には傷をつけない超スグレモノなんです。
これにサンポールをつけてこすると結構スルスルっと尿石が取れるんですよ。
こんなのが
こうなります。8時の方向から12時のところまで磨いてみました。
どのように落ちていくかは以下の動画で確認してみて下さい。
このようにして、まずは緑のスコッチでこすって、それでも取れない汚れは上記のコンロ用スポンジ+サンポールでこすってみて下さい。
これで表面上の汚れは殆ど除去できたと思います。
多分これぐらいには光るのではないでしょうか?
ただ、これでも落ちないのは釉薬と一体化してしまったスケールですから、最終段階の茂木和哉に任せてひとまず便器はこれで一旦休止とします。
便座
最後にマイペット(私は現在は「白いなまはげ」を利用しています。)をスプレーしたうえで、便座と便座のフタをこすって、拭きあげます。
汚れがひどい場合は、お風呂などで直接洗ってあげても良いかと思います。
この際くれぐれも気を付けないといけないのは汚れを取る時のナイロンタワシ等です。
決して研磨剤が含まれているものは使用しないでください。
私が写真で使用しているものも、研磨剤の含まれない台所用スポンジなんです。
これですね。スーパーでも見かけたことがあるのでは?
これが非常に重宝なんです。
先ずはお台所で使ってから、多少よれよれになってきたら、お掃除で使ってみてください。凄く便利ですよ。
そして、そんなに汚れていない場合は無理してナイロンタワシやスポンジでこする必要さえもありません。ちゃんとしたマイクロファイバークロスでこすりながら拭き上げるだけでも便座に関しては汚れは取れます。
むしろ、そちらの方が良いかもしれませんね。
マイクロファイバークロスで取りきれない部分だけ研磨剤の入っていない道具で少しだけこすってみる…。
便座やフタに付いた傷は本当に見苦しいものですから、とにかく最新の注意を払って優しく優しく拭き上げてやってください。
更に外した部品などもキレイに洗って…。
洗い終わりましたら、外した逆の手順で組み上げて、そしてひとまず終了です。
光らせる
私がこの仕事を始めたばかりの頃、先輩に
「光る所は徹底的に光らせておきなさい。」
と教えて頂いたことがありました。
光るべきものがピカピカに輝いていると、お客様は「わぁー!キレイ!!!!」となって高評価を頂けると共に、少しばかり汚い所もその輝きに目を奪われてクレームになりにくい…、と…。
確かにその通りでして、想定外の光り方をしているとお客様はそこに目を奪われるんですね…。
で、実はトイレの陶器部分も水栓金具と同様に磨けば光るという性質を持っておりまして、これをツルツルのピカピカに磨き上げるとお客様は「えっ!マジっすか!?」ってなるんです、はい…。
奥様方もご主人やお子様方に「いいね!」をもらえるよう最後の仕上げを頑張ってみて下さい。
シリカスケール除去
タンク上の手洗い部分のページと重複してしまいますが…。
今までの工程で尿石に関しては除去できました。しかしながら、便器の表面の釉薬と一体化してしまったシリカスケールに関しては除去できていないのですね…。
これは便器を色々な角度から照明に透かして見ると確認できます。
このような水滴の跡のようなスケールが付いているはずです。
これを完全に取り除いてあげれば便器は異常な光沢を放つものなんです。
こんな感じで…。
やり方はいたって単純で、「茂木和哉」にサンポールを垂らしてラップでこするだけです。
かなり強くこすっても大丈夫ですから、ガンガンこすってやってください。
どうですか? キレイになりましたか?
これで一応トイレの清掃は終了です。
ただ、この程度では落ちない尿石のついているお宅の為に次回はガンコな尿石の取り方について書いてみたいと思います。
最後に一連のトイレ掃除を短い動画にまとめました。といっても6分強ありますが…。
何かの参考になれば幸いです。
コメント
TETSUROさん、お掃除をしている姿がかっこいいですね♪
徹底的に綺麗にする『お掃除への姿勢』もかっこいいです☆
わか先生有難うございます。
カメラを固定して撮ったんですが、普段自分からは見えない頭頂部が…。(あぁ…なんて感じで…。)
動画を確認してるときも、どうにも目が頭の方に行ってしまって…。取り直すのも面倒くさいのでこのままアップしたんですが…。年相応だと言えばそれまでなんですが、皆さん手元に視線を集中してくれるとありがたいな…なんて思ってます。
はじめまして。
シリカスケールのこと、とても参考になりました!
何年も悩んでいて、こちらのサイトで初めて説明を見つけました。
うちのトイレは形が水垢(だと思っていました)のつきやすい形で、入居して1年ぐらいで、シリカスケールが全面に鱗のようについてしまい、毎日普通のお掃除をしてもどんどんついて絶望しました。色々試して、何を使っても取れず、最終的に3Mの研磨スポンジを使って、長時間こすれば取れてきたのですが、それでも手強く、毎日擦り続けても、つく方が早いのです。。。
諦めて2年が過ぎました。。。
「潜在能力pro」という酸性クレンザー(研磨剤15%)を併用していましたが、茂木和也とサンポールの組み合わせはより効果的でしょうか?
また、その後少しでも手間を軽減したいので、コーティングを考えているのですが、どう思われますか?
長々とすいません。鱗を見るたびに便器を取り替えたくなります。。。
匿名さんへ
たぶんトイレの形状というよりも、お住まいの地域の水の性質(水質)による水垢の付きやすさなのではないかと感じます。
で、日々のお手入れですが、陶器部分に完全に密着した部分以外の水垢は塩酸(サンポールなど)で除去して、完全に陶器のガラス質と一体化してしまった水垢は出来るだけ釉薬を傷つけずに除去できる粒子の研磨剤と、ガラス質を溶かさない酸性洗剤の併用が基本的には望ましいかと思います。
その上で上記のクレンザーの成分を調べてみましたが、ここに含まれる酸性成分では手作業による除去ではシリカスケールには効かないと思います。クエン酸の濃度がどれだけなのかは分かりませんが、物によってはハンドポリッシャーで作業すれば除去は出来ますが…。(実際に私もクエン酸主成分のクレンザーでシリカスケールを落とすことは多々ありますが、それらは全て機械を使用しての除去です。)
手作業で落とすならば、やはり茂木和哉が一番落とせるかと思います。含まれる研磨剤の粒子もガラス質を傷つけないギリギリを狙っていると感じますので、事故も防げるかとは思います。
最後になりましたが、コーティングは一つの方法として良いのではないかと私は思います。奥様がトイレ掃除で深追いしすぎて表面の釉をボロボロにしてしまったトイレにコーティングを施された物を昨年末に手掛けたのですが、私でもそれがコーティング済の便器だとは最後まで気づきませんでした。ゆえに通常の酸性洗剤を使用しましたが、それによるコーティングのダメージなども全く見られませんでしたので、それなりに強度はあるかと思います。
ただコーティング剤も成分的には新品の便器の釉薬と同じでしょうから、今までの傷を覆うという効果はあっても、水垢の付きやすさを解消するというメンテナンスフリーになるわけではないと思います。現在は過去の傷が水垢を呼び込んでいる部分もあるかとは思いますので、それよりは改善はするとは私も思いますが…。
なお、上記の陶器のガラス質と一体化した汚れ以外のものを落とすには塩酸という証拠の写真を添付します。以下は一昨日の現場ですが、このような頑固な尿石も少し濃度が濃い目の塩酸を主成分とした洗剤を刷毛で塗り込んで放置するだけでここまでにはなります。
その上で記事上のガラス質と一体化したシリカスケールのみを傷つけないように狙っていくという方法を取れば、便器へのダメージも極力抑えられるかと思います。
また何かありましたらお気軽にご質問ください。
上は施工前
これが施工後です。
信じられないかもしれませんが、刷毛で薬剤を塗り込んだだけで一切こすってはおりません。
ご親切な説明ありがとうございました〜!
当たり前でしょうが、専門家のご意見には助けられます。
最近はお掃除ばやりで?インスタなどでも好きな方の情報が氾濫していて、上記の洗剤もそういうブロガーの方が紹介していたものです。
私個人の経験からだけでも、やりすぎや逆に効果の薄いものが散見されて、少し疑い深く見るようになりました。
でも、店頭には紹介されている商品がすぐに並ぶように思います。。。
話がそれましたが、
同じ酸でもサンポール(塩酸)が有効なのですね。
お勧めの方法で、コーティングができるほどきれいになるよう頑張ってみます。
今は記事を参考に、キッチンシンクの水垢に取り組んでいます。