このブログは、一般の奥様でも購入可能な洗剤でプロ並みの仕上がりのお掃除ができるようにとの目的で様々なアプローチを紹介してまいりました。
したがって清掃業者ならば購入可能な洗剤や薬品でも、一般の奥様方が購入できない物は決して使わないというマイルールのもとにマニュアルを作成してきました。
今回問題になった「サンポール」も上記の理由からやむを得ず使用するに至ったものでございます。先の記事でも申し上げたように18年前当時は市販されている酸性洗剤はごくごく限られたものでした。
トイレ用の洗剤をキッチンシンクに利用するという発想は一般の方にはまだ馴染みはありませんでしたが、我々美装業者の一部ではごく当たり前のように活用されていた事実もありますし、ステンレスを腐食させる(酸焼けを起こして変色させる)という危険性を伴うものの、手掛けるステンレスの種類やサンポールを塗布する時間制限などの諸注意を厳守するならば変色事故はほぼ回避できるとの確信もありました。
今さら申すまでもありませんが、水垢はアルカリでは落ちません。酸性洗剤が必ず必要な汚れなのです。仮に全く酸性洗剤を使わずに水垢を落とそうとするならば最初から最後まで研磨剤でゴリゴリ削り落とすしか方法はないのです。
それはそれでやりようはあるのですが、途上はガリガリのバリバリになってしまいますし、ステンレス以外の部材は傷だらけになってしまいます。とてもじゃありませんが奥様方の愛する我が家のキッチンがそのような無様な姿になってしまえば、それ以上綺麗にしたいとの想いも萎えてしまうのではないでしょうか。
ゆえに色々と考えた末で敢えて禁じ手とも思えるサンポールの使用を決意した次第だったのです。
時代は変わった
そのような18年前ではありましたが、その後のお掃除業界も大きく変わってまいりました。水垢をキッチリと除去できるお掃除屋さんもドンドン増えて、それは一般の奥様方も当たり前のこととして受け止めるようになりました。
そして御自身でもそこまでの仕上がりを目指したいというマニアックな奥様方も出てきて、それに応えるがごとく市販洗剤でも水垢にアプローチできる物がホームセンター等に並ぶようになってきたのです。
現在ホームセンターに行くと様々な酸性洗剤が一般の奥様でも購入できます。
これらを上手く組み合わせれば、ステンレスを焼いてしまう(変色させてしまう)ような塩酸(サンポール)を敢えて使わずともプロ並みの仕上がりは実現できてしまうのです。
本当に良い時代になりました…。
気を付けてね
ただしここで気を付けなければいけないのは、ホームセンターで普通に売っている商品でもステンレスを変色させてしまう物も相当数紛れ込んでおります。一応は酸焼けへの注意喚起はしているようですが、素人の奥様方が安易に使えば100%酸焼けする商品が平然とホームセンターの棚には並んでおります。そして更に厄介なのは、それを使用した動画を嬉々としてアップしているユーチューバーがいるということなのです。
ユーチューバーさんはプロの掃除屋ですから、事故を起こすようなヘマはしないでしょう。しかし素人の奥様方がそれを真に受けて安易に使用したら必ず事故を起こすと思います。
今後動画を見てこれらの商品で大事故を起こす家庭が頻発すると私は観ております。ゆえに私は先の記事で謝罪をして路線を変更したのです。
ここだけの話ですが、私の弟は現役の弁護士です。仮に私の記事が原因で事故を起こして多くの一般の方が損害賠償請求を為してきたとしても、壊滅的な打撃は回避できる環境下におります。それでもこのままではあまりも危険すぎると判断してこのような措置を取らせて頂きました。
私のような特殊な環境下に無いにもかかわらず現在のままの暴挙を続けられる方々は余程のケツモチがおられるのか…。
まぁ、人のことはどうでも良いのですが、とりあえず忠告はしておきましたからね。あとはどうなっても私は知りません。
サンポール使わなくても8%の塩酸使ってたら意味ないんじゃないの?メーカーさんは何も言わんのか?
今後の方向性
ってなことで、話は元に戻しますがこのブログの趣旨は「一般の奥様でも購入可能な洗剤でプロ並みの仕上がりのお掃除ができるようにとの目的で様々なアプローチを紹介する」ということは今でも変わりはありません。
そして現在は色々な気の利いた酸性洗剤が一般の奥様でも手にできる時代になりました。
これからは本当に良い商品で安心できるアプローチ法をご紹介していきますので、今後ともマニアックな奥様方の応援をお願いしたく思っております。
一応私もプロですから(笑)
まぁ、このブログを起ちあげてから記事も画像も一般の奥様方に当てたものでしたので、私のことを素人のオッサンだと思ってバカにしている人も多いようですが、一応この業界に入って38年ですので、奥さん方にはまどろっこしい方法で掃除方法を書いていても、普段の現場ではシリカスケールを除去するのはこんな形でやっております。
動画はアルカリで汚れを除去した後にクエン酸等で軽い水垢を取り除いて、最後のシリカスケールを除去する段階の動画です。
プロでしたら立ち上がり等のクスミの変化とそれに費やす時間で私が何を言いたいのかはご理解できるかと思います。
あくまでもこれはプロである同業者向けの動画であり、一般の奥様方に真似はしていただきたくないものです。
しかしながらプロであるならば、この程度は出来て当たり前だろう?ってのが私の素直な気持ちです。
それではまた…。
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