前回は結論と個人的感想のみを書かせて頂きました。今回は皆様が興味津々の講習会の様子をRSA-japanさんにご迷惑をお掛けしない範囲内でお伝えできたらと思います。
講習会場
講習会場は千葉県花見川区にあるRSA千葉トレーニングセンターになります。
電車で来られる方は送迎の段取りも用意されているようなので、詳しくはお尋ねされるとよろしいかと思います。
車で直接来られる方は事前にグーグルマップで外観を確認されておくとスムーズかと思います。お知らせ頂いた住所を検索すると以下のような画像を確認できます。
この建物にて講習会が行われます。車はこの5台分のスペースに停めて頂いても構わないそうですし、ここが満車でしたら建物裏にもっと大きな駐車場が用意されています。
この駐車場の空いている箇所に停めても大丈夫だということです。
そして講習会は始まった
講習は丸二日間行われますが、たった二日で一定のスキルを伝授するにはやはり時間が足りないかと感じます。けれどもその限られた時間で生徒さんが喜んで家路につかれるように着実なお土産を持たせよう。そういった心意気がひしひしと伝わってきました。
まず気が付いたのは、ハウスクリーニングの現場でクレームの出やすい箇所を一通りレクチャーされていたことでした。時間の関係で実技はされなかった部分でも座学では要点を簡潔に教えて下さり、先生方のお話を着実に実践に移せればノンクレームで件数をこなせることは間違いないと実感致しました。
次に実感したのは、「傷を付けずに汚れだけを落とす。」という柱となる目標のもとにすべてが構築されていますので、油汚れに関してもその他の汚れに関しても上記の縛りをクリアーしたものを教えてくださいますが、やはり二日間という短い時間に伝授するにはハードルの低い油汚れなどは座学中心にし、ハードルの高い「水あか汚れ」に重点を置かれたものとなっておりました。
ですから、サッシを極めたいとか、油除去のスペシャリストになりたい、またはハードフロアーの達人になりたい等という目的の方には向かないかとは思いました。(っていうか、そもそもそういった目的の方は興味を持たないかとも思いますが…。)
けれども空室在宅を問わず、日々ハウスクリーニングといったジャンルに取り組んでおられる方においては「水あか問題」というのは頭を悩ませる重大事項でありますし、これに関するキッチリとした知識とスキルを身に付けることは今後の自身の大きな大きな武器になるかと思います。
ちなみに本日新たなお客様から問い合わせがあったのですが、やはりお客様が解決したい部分はお風呂のリモコンパネルの水垢やドアのポリカーボネートへ付着したシリカスケールでした…。
私が商売を始めた30年前は「それは落ちない汚れですよ。」なんて自信満々に言い切ってお客様もそれで納得してくれた良き時代だったのですが、現代に於いてはそれは出来ませんよね…。
「実際に見てみないと何とも言えませんが、多分大丈夫ですよ。安心してくださいね。」
このようにお客様に返してあげられること。これって凄く重要なことだと思います。そしてその自信をこの講習会でつけられると私は素直に感じたものでした。
座学
机に座って先生の講義を拝聴するなんてことは、この数十年間においては免許の更新と免停になった時の違反者講習くらいしかなかったので結構疲れましたが非常に勉強になりました。
詳しい内容はRSA-Japanさんのご迷惑になるので書けませんが、仕事に対する心構えから始まって建築素材の性質や洗剤の性格や相性、そして具体的な現場のテクニックに至るまで徹底的に詰め込まれました。
会場で提供されたB6判50ページにわたるメモ帳が講習会終了時には全て真っ黒になりました。今日もその貴重なメモを読み返しながら自分のアプローチを再度検証して明日の現場のイメージトレーニングをしております。
余談ですが、私はよく薬品や界面活性剤をマゼマゼして市販洗剤の海賊版を作ってみたりするんですが、私が現在油落とし用に試していた組み合わせが「効力が落ちる組み合わせ」とバチンと斬り捨てられてしまって思わず…
ちびまる子ちゃんになってしまいました…。
けどね、これって凄く有難いことだと思うのです。残り少ない人生を有効に使うためには余計な回り道をするよりも出来れば最短距離で行きたいですものね。
半世紀以上生きてきても知らないことは一杯あります。それを教えてくれる方々は神様みたいな存在です。
話は逸れてしまいましたが、何時間にも及ぶ座学は「既に身についていることの更なる確認と知らないことのインプット。そして将来の指針となるアイデアの投げかけ。」といった非常に充実したものだったと思います。
私もこの仕事を生業として30年経過し、「食っていけりゃ良いだけだから、シフトダウンしちゃおうかな…。」なんて思い始めてトップから徐々に落としてセカンドからローに落とし切るタイミングだっただけに、今回の講習会は本当に刺激を受けました。
別に有名になりたいとかお金を儲けたいとかには全くもって興味は無いのですが、ワクワクすることドキドキすることにもう一回取り組んでみても面白いかな…、なんて年甲斐も無く思ってしまったのでした…。
もっと詳しくお話ししたいのですが、著作権とかの絡みもありますし興味のある方は是非とも次回の講習会に参加して御自身の目と耳で確かめてみてください。けっして損はしないと思いますよ。
実技
タップリと知識を詰め込まれた後は実際の現場から運び込まれた素材を使用してガチの汚れを落とす実技となります。
比較的ハードルの低い洗面台の陶器ですが、これも私なんかは酸性洗剤+研磨剤を塗布して機械でギャーとやって「はい、終わり!」で済ましてしまうのですが、先生方は研磨剤不使用、しかも手作業で同等の輝きに戻してしまいました…。
さすがだな…、なんて思ってみていたのですが、その後にオマケで磨き上げた洗面台にフッ化アンモを垂らして陶器の釉薬を溶かす実演もしてくれました。
私なんかは過去に何度もやらかしたことがあるので見慣れてはいるのですが、最近はフッ酸はめったに使われませんし、フッ化アンモの危険性を声高に発信される方もいるので、怖気づいてフッ化物は使わない…、ゆえにその事故もまた実際には経験したことのない掃除屋さんも多いのではないでしょうか。
自分の現場でこれをやらかしてしまうとそれはもう大変な大騒ぎになってしまうのですが、このような場でその事故を体験できるというのは本当に有難いことだと思います。
そして皆さん大好物の鏡の研磨です。
これもまた研磨剤を使わずにパチンと仕上げてくれました。
この「研磨剤を使わない。」というのがやはり肝なんですよね。仕上がった時にこちらに訴えかけてくるものが全然違う…。通り一遍の「綺麗になりました」ではなく、お客様に二度見をさせてしまうアピール力を鏡に吹き込むのだと思います。
そして今回一番感動した実技の浴槽研磨です。
残念なことに施工前の写真を撮り忘れてました…。しかし施行中でもこの水垢です…。(酸性洗剤を塗布して粗削りした後の写真です。)
前回の記事にも書きましたが、現場に入った瞬間に「これでは終わらない…。」とショックを受けるほどの水垢がついていました…。
それがこのようになりました。
アプローチは…、教えられません…。どうしても知りたい方は次回参加してみてください。
で、これの一番ショックだったのは自分が普段使っている洗剤とほぼ同じものしか使われていなかったということなのです…。
なんで同じものを使っても仕上がりがここまで違って、かつ時間もここまで早く仕上げることが出来てしまうのか…。当に目の前で思いっきりダメ出しされた気分でした。
こうなって
こうなった気分でした。
使っている洗剤が同じであれば理由はただ一つだけですよね。
「使い方が悪い!」
そういうことです。これが自力で何とかしようとする限界なんです。いくらネットで調べようとも自力で探求しようとも、そこに辿り着くには気の遠くなるような時間を要します。今は20代の青年でも簡単に私と同じ50代になってしまいます。50代になって「さて頑張るか!」となっても体がポンコツになっていますから思うように動けません。残された時間もまた限られてきてます。
ですからね、若ければ若いほど決断は早くした方が良いです。御自身への投資となりますから…。そして投資されたお金なんてものは速攻で回収できますよ。
というわけで実技の方も細部は述べられませんでしたが、なにかしら感じてもらえたものはあるかと思います。
最後になりましたが、この講習会を単なる知識と技術の勉強会だけと思っていてはまだまだ甘いです。それ以上のものを得ることが可能です。そして実はそちらの方が多くの方にとっては今後の仕事に役立っていくことになると思います。
その辺りに関しては次回の記事で触れてみたいと思います。
コメント