なぜ茂木さんの洗剤だけが汚れを落としたのか?

前回は実験動画の紹介だけで終わってしまったので、今回はなぜこのような結果になったのかを考えてみたいと思います。

目次

市販洗剤はスケールや、もらいサビ落としを前提にしていない

そもそも市販されている家庭用洗剤は日々の奥様のお掃除の手助けを目的にしているのであって、ある意味イレギュラーなもらいサビや、長年の間に付着してしまったスケールを除去するなんてことは眼中に無いということなのでしょう。

つまり、浴槽や洗面器、椅子などに付いたヌルヌルや石鹸カスなどをさっぱりと洗い流せればOKというスタンスですから(ただし、皮脂汚れにおいても厚くなり過ぎたものは市販洗剤だけでは全く歯が立たないと思います。)、そこまで濃度の濃い成分も必要ないということでしょうし、不必要に高性能なもの(これは言い換えれば薬品の濃度が高いということでもあります。)を作ってしまって万が一事故でもきればPL法の対象になってしまう危険性もはらんでいるわけです。

ゆえに余計なことはせずに無難に収めようという姿勢で作られていると私は思うのです。

そんな市販洗剤と、スケール・もらいサビに特化して本気で作られた茂木さんの洗剤を同じ土俵上で戦わせるというのは初めから結果は目に見えているのですね。

大手メーカーさんには少し可哀そうだったかな?なんて思ってます…。

ただ、ここで私が奥様方にお伝えしたかったのは、市販されている大手メーカーの洗剤では落としきれない汚れさえも落としてしまうような洗剤を、それこそ骨身を削って作っていらっしゃる方がいるということと、そのような洗剤を使って誠実に仕事をこなしている職人さん方も世の中には存在するという事であり、その結果は奥様方の想定を遙かに超えた仕上がりになるのだということなんですね。

テレビや雑誌では色々とお掃除の情報がありますが、本物の仕事はそんな低レベルの仕上がりではありませんよ。ということをお伝えしたかったのです…。

今回の現場の作業を分析する

なぜ今回の現場は茂木さんの洗剤だけが反応してくれたのか?

私なりの分析をしてみたいと思います。

1.前回の一番目の動画(防水パンのトラップ)のように「赤鬼」自体がもらいサビを溶かす成分が配合されていた。

2.今回の素材は長年のシリカスケールで全体が覆われていて、そのシリカスケールにサビが浸透していたゆえにシリカスケール自体を除去してしまえば素材の地肌が出て来た。

この二点に尽きるのではないかと思います。

市販洗剤には上記1のような成分は全く含まれていないか、若しくは少なすぎて汚れに反応しなかったのではないかと思われます。実は本日の現場でこの赤鬼を使って以下のようなエフロ(白華)を除去してきたのですが、サンポールではここまでスケールを溶かしません。

施工前

施工後

 赤鬼を塗布したところ

施工前

施工後

レンガの方はもう少し経験を積まないとお金を頂ける仕事にはならないと思うのですが…。

いずれにしてもサンポールには含まれていない成分がスケールを勢いよく溶かしてくれたわけですが、前回の洗面台洗浄においてもそれらの赤鬼特有の成分が見事にもらいサビに反応してくれたのだと思います。

次に2の点ですが、そもそも洗面台の釉薬と一体化してしまったシリカスケールを除去する洗剤は一般に市販されているものには無いと思います。つまり、

ひたすら磨くしかない…

ということなんですね。以下は2009年に私の前のブログにアップしていたものですが、クレンザーとスポンジ研磨剤の研磨力が主であり、サンポールはそれを補助するくらいの位置づけなんです。ですから写真では一瞬でキレイになったかのように見えますが、結構長い時間かけてこすっているのです。(ただ写真はガチです。)

コメント覧のアドバイスを写真入りで補足致します。

洗面台にこのクレンザー&サンポールをかけて…

IMG_0563.jpg

スポンジ研磨剤でこすると…

IMG_0565.jpg

こんな洗面台が…

IMG_0562.jpg

こうなっちゃうんです!

IMG_0570.jpg

補足説明おわり。

ですから、前回の洗面台もひたすら磨けば綺麗にはなると思うのですね。ただし、これは洗剤としての実力をテストするためでしたので、あくまでも研磨剤は使用せず、ナイロンタワシも研磨粒子の入っていないものを使って、純粋に洗剤の洗浄力のみを試してみたわけです。

その結果は動画の通りです。

もらいサビを溶かしたのは「赤鬼」だけ、

シリカスケールごともらいサビを除去してしまったのは「茂木和哉」だけだったのです。

ここで少し頭の切れる方だと「けど、『茂木和哉』は研磨剤でしょ?だったらクレンザーでも落とせるんじゃないの?」と仰るのではないかと思います…、けど実はクレンザーでも落ちなかったのです。

あの動画には一部カットした部分がありました。それがクレンザーを使った作業でした。手元にあったクレンザーで作業したのですが、容器の外のラベルが既に剥がれてどこのメーカーの物か判別がつかなかったため、動画にする際にそこの作業だけはカットしておいたのです。

いちおう、その様子を以下に載せておきます。これを見て頂ければクレンザーでもやはり落ちないのであるということは御理解いただけると思います。

市販洗剤の成分でも落とせない。クレンザーの研磨力でもやはり落ちない。

これが現在の偽らざる真実なのだということを御理解いただけると嬉しいです。

そして、その壁を見事にぶっ壊したのが茂木和哉さんの洗剤だということなんです。

今後の課題

今後の課題といっても私の課題なのですが…、

このように非常に魅力的な製品ではあるのですが、これを100%使いこなすためには少しばかり経験を積まないといけないのではないかと感じております。

汚れに対する希釈率の見極めやつけ置き時間の判断、またスケール除去といっても数種類の商品が用意されている訳で、スケールの種類と作業環境の違い(周辺に事故を誘発する要因があるか否かの違い)によって使用する洗剤も臨機応変に使い分けないといけないと思いますし、そもそも選択した洗剤と方法が予想を裏切って全く効かず、逆に他の洗剤がバリバリ反応するといったこともあるような気がします。

とにかく奥が深い世界だと思うので、焦らず気長に取り組んでいきたいと思います。

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