「もらいサビ」という言葉を聞いたことがある方も多いかと思いますが、一般のご家庭に於いてもこのような場面に出くわすことは多いです。
たとえば洗濯機の防水パンの排水溝や、お風呂の棚、また洗面台の棚などに、ヘアピンや髭剃りから付着したサビが付いてしまってどうやっても取れない…、
なんてことを経験された方も多いのではないでしょうか。
もらいサビってどんなもの?
実際に見てもらった方が早いですね…。
こんな茶色い汚れ
見たことあるでしょ?
こんなやつや、
こんなもの、
これらの犯人はこういったヤツなんですよね…。
こういった金属がサビて、そのまま接触していたところにサビが付いてしまう(または接触したものが金属であればその金属自体が錆びてしまう)という事なんですが…、
このサビが意外と厄介なものでしてね、
軽度のものならばサンポールとクリームクレンザーで取れちゃいます。(ステンレスなどの金属だったらサンポールはNGですし、プラスチックに付いていたら粗い研磨剤はNGですよ。)
けどですね…、
上の洗面台の写真のような酷いのだとそれだけでは歯が立たないのですよ…。
で、どうするか…。
キズを覚悟でバリバリこするか、
お客様に「ごめんなさい。」して落としきらずに帰るかしかなかったんですね…。
ところがですよ!
この「もらいサビを落とします!」って豪語する洗剤を茂木さんの会社で作っていたのです…。
思わず買ってしまいました…。ただ残念なことに少し扱いが難しいので清掃業者のみへの販売らしいのです。ですからこれを読んでくださっている奥様方が直接手にすることは出来ませんが、このような商品があるよということと、どこまでのもらいサビは落とすことが出来るのかという事を知っておくだけでも今後役に立つと思います。
また、後ほどの動画にも出てきますが、こする対象が傷のつくプラスチック製品でなければ先日ご紹介した「茂木和哉」でも落とせます。
ですから最後まで読んでいただけると嬉しいです。
軽度なもらいサビは塗って、ちょっと触れるだけで落ちる
ってなわけで、「論より証拠」、「百聞は一見に如かず」ですから実際に動画をみて下さい。
上の防水パンのトラップに付いてしまったもらいサビを「赤鬼」で落としてみました。
どうですか?チョ~簡単でしょ?
ただね、この程度だったら多分サンポールでもすぐ落ちちゃうと思います。
もっと手ごわい…、根性のバリバリ入ったサビでないとやはり違いは分かりませんよね。
というわけで今回選んだ素材はこれだ!
半世紀のシリカスケール&20年物もらいサビのダブルパンチ物件
じゃ~~~~んw
写真では一見そんなに汚くは見えませんが、この物件は築45年でして洗面台は全体的にシリカスケールで覆われています。
その上に20年以上同じ場所に髭剃りを置いていたがゆえに、そこだけ酷いもらいサビが発生していました。
これは非常に良い題材だ…。
ということで、この現場で赤鬼の実力をテストしようと思ったのです…、
が!
せかっくこんな素敵なもらいサビがあるのですから、この機会に他社の酸性洗剤の実力も試しちゃおう!というわけで、現在市販されている大手メーカーの「酸を成分に含む」洗剤を取り揃えて、どれがもらいサビに有効かをテストしてみたのです。
参加選手は以下
ジョンソン 強力バスクリーナー
成分の中に乳酸が入っているらしい…。
乳酸は塩酸のようにスケールを溶かす性質があると以前ネットでみた記憶があります。
サビ自体はリン酸で反応するのかな?と個人的には思うのですが、乳酸がスケールに効くならば、サビに効かなくてもそのスケール自体を落としちゃえば綺麗になるはず…。
ってな理由で選手採用!
キンチョー トイレ用ティンクル
トイレ用ではあるんだけど、今回の題材は便器と同じ陶器だし、なんて言ってもあのサンポールの会社ですからね…。
そしてこれもまた乳酸が配合されているらしい…。
(このページ↑の下の方に「成分情報」というリンクがありますから、それを見てもらえると分かります。)
「ハエ、ハエ、カ・カ・カ・キンチョ~ル」
ですから落とすのは得意中の得意だと思います。期待大ですね。
キンチョー お風呂用ティンクル
またキンチョーさんですが、今度はお風呂用です。
こちらには酢酸が入っているらしいです。
よくネット情報なんかでシンクのスケールにお酢が効くよなんていうことが書いてありますが、実際に私がやってみても「ゲホ・ゲホ」とむせるだけであまり変化は実感したことが無いのですが…、けど酸には自信のあるキンチョーさんでしょうから、期待値を加味して選手に採用。
ライオン トイレのルック
ライオンから唯一の参加選手です。
なぜ採用か…?
だって、成分にスルファミン酸が入っているんですもの…。そう、「茂木和哉」と同じ「スルファミン酸」ですよ。思いっきり期待しちゃいますよね…。
ここだけの話なんですがね、初めて「茂木和哉」を使ってみてショックを受けた私は速攻で調べたんですよ、スルファミン酸ってやつをですね…。
でもってスルファミン酸を含む洗剤をピックアップしたんですがね…、無いんだこれが…。このトイレのルックとポット洗浄中っていうやつくらいで…。
これね…。
そしてこれを2箱買ってきて全てお湯で溶かしてスプレーに入れて…。
鏡にシュッシュ!として、そこにクレンザーを塗りこんで…、
「なんちゃって茂木和哉」
を自作してやってみたのですよ!!!!
結果は
惨敗…。
いやはや難しいもんですね…。
そんなスルファミン酸ですが、そりゃあ大手メーカーが作れば私みたいな失敗はしないだろうということで、このトイレルックも選手採用!
キンチョー サンポール
大御所登場!
酸性洗剤といえば昔から真っ先に頭に浮かぶのがこのサンポールですよね。私もこの仕事を始めたときから愛用しております。「サンポール」というと眉をしかめる掃除屋さんも多いんですが、事故にだけ気を付けておけば非常に使える製品ですし、やはり手元に無いと困るものなんですよね。
古い人は知っていると思いますが、以前のサンポールは今みたいに粘り気が無くサラサラとした液体だったんですよね。それが今のスタイルになる寸前にあちこちの店頭からその姿を消したんです。あの時は本当に真っ青になりました。
「だいたいやねぇ、僕なんかこれだけですよ。これだけ。」
ってな時期もありましたから…。これだけ色々な製品が出てきている時代には馬鹿にされるかもしれませんが、私は今後も愛用していこうと思っております。
話はそれてしまいましたが、テッパンのサンポールは外すわけにはいかないという事でこれも選手採用。
クエン酸&バスマジックリン
これはあまり期待していないのですが、スケール以外のお風呂の汚れには絶妙な効果を発揮する組み合わせなんです。
皮脂汚れ、石鹸カス等のお風呂の床や壁面、浴槽のエプロンなどに付いた茶色くこびりついた汚れをフニャフニャに柔らかくしてくれて、スポンジだけでほとんど落としてくれるほどの優れモノなんです。
私は「お風呂の落ち過ぎ君」と命名しております。
(まだブログには紹介しておりませんが、「レンジ周りの落ち過ぎちゃん」というのもあります。これは中華料理屋のダクトみたいなギットギトのガッチガチな油汚れをスルッと溶かしてしまう洗剤なのですが、機会があればまた作り方をアップしてみますね。)
今回の場合は多分効果は期待できませんが、一応参加させて頂きました。
実際にやってみたらこうなった!
とりあえず動画をみて下さい。
ただし、少し長いのでスマホでは見ない方が良いかもしれませんね。
まぁ、予想通りではありましたが、市販洗剤がまったく効果を発揮できていないのが何とも…。
たぶん市販洗剤側が結果を出せばよいと思っているレベルと、我々が求めるレベルが違いすぎるのでしょうね。それはそれで良いのでしょうが、一般のご家庭の方々もどこまでが掃除の限界点なのか…、それを知って頂くだけでも大手メーカーは下手なものは作れなくなるでしょうし、我々掃除を生業とする者たちの全体的なスキルの底上げにもつながるかと思います。
一方で茂木さんの洗剤はしっかり求める結果を出してくれていたのには改めて感心致しました。まだ「赤鬼」がどこまでのスケールに効くのかは色々と試している最中ですが、今回は登場しなかった「瞬間水あかクリーナー」との併用で相当の範囲をカバーできるのは間違いないと思いました。
来週は超厄介なスケールのついたお風呂がある現場に入ります。
そこでの結果もまた作業が無事終わり次第アップさせて頂こうかと思っております。
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