茂木和哉さんの書籍を拝読してみた。

遅ればせながら茂木和哉さんの「落ちない汚れをラクに落とす掃除術」を拝読してみました。

多くの方が読まれて感想などを残されていますが、

落ちない汚れをラクに落とす掃除術【書評・感想】

皆様のように上手く表現できないのですが、私なりにその感想を少々述べさせて頂きたいと思います。

いきなり結論

お掃除をしてお金を頂く「プロの掃除屋さん」や「お掃除マニアな奥様」には必要ない本かな?と第一印象では感じました。

ただし、水あかには酸性洗剤が必要なこと(中にはミネラル成分で水あかを除去するという洗剤も販売されていますが、あれは研磨力も加えてやってナンボであって、純粋に水あかを分解する能力で判断するならば酸性洗剤に軍配は上がると思います。ただ素材によりけりですが…。)や、酸素を加える、もしくは酸素を奪うことによって汚れを消すという酸素系漂白剤や還元型漂白剤の理屈と実際の効果を実感として理解できていないレベルの方々は一度手に取ってことあるごとに読み返していくと良いのではないかなと思います。

一方、ごくごく普通のご家庭の奥様であれば一冊手元に置いておくと非常によろしいかと思います。

自動車教習所の教本みたいな本です

お掃除って車の運転みたいなものでして、手がける人によってレベルは様々なんですよね。最近結婚したばかりで「家のお掃除なんてどこからどうやって手を付ければ良いのでしょう♡」という若葉マークの初々しい奥様もいらっしゃれば、お子さんも巣立って久しく、プロの掃除屋を呼んでも「私がやった方がよっぽどキレイになるわ…!」なんて仰る走り屋さんみたいな奥様もいらっしゃるわけで…。

まぁ、とにかくその能力は千差万別なわけです。

そういった奥様方のどこに焦点を合わせるか?

っていうのが今回の書籍を出されるうえで最も悩んだ部分ではないかな?なんて推察いたしました。

私はこの世界で仕事をし始めてからかれこれ四半世紀が経とうとしておりますもので、自分がはじめてお掃除の現場に立った時の記憶などは既に覚えていないわけですが、私の元から巣立っていった子たちのことを思い出すと、確かに真っ先に教えなければならなかったのは、

「この汚れにはこの洗剤を使う。あの汚れにはあの洗剤を使う。間違ってもこれは使っちゃダメ!」

っていうことだったんですよね。

この公式を頭で考えるのではなく、汚れを見た瞬間に勝手に手が動いて的確なスプレーを掴む…。このようになるとお掃除の仕上がりも向上しますし、かかる時間もまた短縮されてお金を頂けるプロのお掃除へと変化していくわけです。

車の運転でもそうですもんね。まわりの流れに合わせて勝手に体が動いてくれるようになってはじめてスムーズな運転が出来るわけで、「スタートするときはギアを1速に入れて、アクセルを踏み込みながらクラッチを少しずつ繋いで…。」なんて頭で考えながら車を動かしているようでは逆に周囲に迷惑をかけてしまいますし、運転している自分だってすごく疲れてしまいます。

しかし、この基本というのは非常に大事なのであって、将来起こりうる事故を未然に防ぐ…、また安全かつ最短の時間で目的地へ到達するためには必ずマスターしておくべきものだと思うのです。

実はこの書籍に書かれている汚れと洗剤の方程式をマスターしていれば、そこからの応用というのが次の段階で可能になってくるはずなんです。

ゆえに汚れと洗剤の関係から話を始められたこの本はまさに王道なのではないかと思うものです。

あくまでもこの書はスタートにしかすぎない

前項で私はこの本を「自動車教習所の教本」と称しました。この書の目的は汚れに応じた洗剤を選択する基本的な考え方を学んで頂く為のものであるかと感じます。

次の段階では、その的確な洗剤をどのように使って汚れを要領よく落とすのかというテクニック的な部分に進んでいくものと思われます。

運転でいうならば、「一般道をスムーズに走らせるための実践テクニック」といったかんじでしょうか?この辺りになると少しマニアックな奥様方も「おっ!?」となるんではないでしょうか…。

著者の茂木さんもたぶん第2弾、第3弾という構想は既にお持ちであると思います。是非とも今後の動きを注目していきたいと思っています。

できれば更に「レーサーも顔負け!峠道の上手い攻め方!」なんていうレベルの本も出してもらえると超マニアな奥様も買って下さると思うのですが…、

たぶん商売にはならないでしょうから出版社から却下されるとは思いますが…。(^_^;)

この本を参考にしてお掃除を実践される方へ

最後になりましたが、この本を読んで実際に家庭のお掃除を手掛けられる奥様方へ一つアドバイスを…。

この本はあくまでも基本を知ってもらうために書かれたものですから、使う洗剤もテクニックも派手なものは載っていません。

ただし、実際に写真で使われている市販洗剤はその成分を吟味された上で採用されていると思われます。つまり、なにゆえシロッコファンに「ワイドマジックリン」なのか、どうしてIHヒーターの焦げ落としに「トイレのルック」を使用しているのか…。

実はその含まれる成分が仕上がりの違いに影響してくるのです。おなじ酸性洗剤だからといってIHに「サンポール」を使っても仕上がりは一段階下がるはずです(おそらくガラス天板のうっすらと付着した水あかまでは除去できません。)し、シロッコファンに同じ酸素系漂白剤だからといって「ワイドハイターEX粉末」を使っても仕上がりは違ってくるはずです。

ですから、本のとおりの仕上がりを求めるならば、ここで「例」として紹介されている市販洗剤をそのまま使用されるのがよろしいかと思います。25ページに商品名は出ていますし、紹介されている写真は表面のビニールを取り外しただけのオリジナルの容器をそのまま使用されているのでドラッグストアーで見ればすぐに「これだ。」と分かると思います。

この本が出版された影響で表面上のテクニックを流用する情報が今後は増えてくるかと思いますが、オリジナルを超えることはそうそう容易ではありませんよ…。

(実はこの本で使用されている市販洗剤には、酸性かアルカリか、はたまた酸素系漂白剤云々という大きな括り以外の部分にも配慮がなされているのは、プロの目からは一目瞭然なんです。)

というわけで何だか上手くまとまりませんでしたが、ご家庭の奥様は持っておくと便利な一冊だと思いますし、セミプロの奥様やプロの掃除屋さんも今までのやり方を今一度検討しなおすのに一冊手元に置いておくのもまたよろしいのではないかと思います。

私としては第2弾が発売されるのを切に願うものです。

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